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老後の不安を解消するたった一つの方法

前回の記事「50歳の「ねんきん定期便」使って生活設計すれば、あなたの未来が変わる!」では、「ねんきん定期便」の見かたとチェックポイントをみましたね。

今回からは、「ねんきん定期便」を使ってあなたが老後・定年後をいきいきとくらしていくための計画「生活設計」にシリーズで取り組みます。

老後の不安の多くは、お金にかかわることです。これを「見える化」すれば、時間をかけて対策を準備すればよいので、不安の大部分は解消できます。

老後の不安を解消する「見える化」とは、あなた自身の長期計画である「生活設計」をつくること。

そのためには、「ねんきん定期便」以外にあなたの会社の退職金制度や65歳までの雇用制度などについて調べなければなりません。第1回目は、その調査すべき項目について書きます。

さっそく行ってみましょう。

◯ 老後不安の正体とは?

前回の記事で、50歳代のひとの約7割が将来に対する何らかの不安を抱えていると書きました。

国の財政状態が悪化する一方で、将来年金がもらえるのか、年金の支給額が減額されるのではないか、支給時期が遅らされるのではないか、60歳以降はどう働けばよいのか、病気になってしまったらどうしよう、などなどいろいろな不安要素が思い浮かびます。

老後や定年後の不安の正体は、将来の収入がどうなるかがわからないことです。

実は、老後をイキイキと過ごすにはお金以外のことのほうがむしろ大切で、そのことについてもこのシリーズでお話させていただくつもりです。

しかし、生きていく上で基本となる収入を「見える化」するのも「生活設計」です。それさえできれば、収入面からの課題が明らかになりあとは時間をかけて対策を立てるだけ。

会社や組織に全体・部署ごとに事業計画があるのと同じで、あなたはあなたの人生についての長期計画を立案するのだと考えてください。

今「生活設計」に取り組めば、老後にいきいきとくらす上位1割に入れる!?

定年に関する著作が多い楠木新さんは、企業などから招かれて50歳くらいの社員を対象に講演する機会が多いといいます。このとき50歳で将来の定年後・老後のことを意識している人はせいぜい20人に1人か、多くても10人に1人くらいしかいないとのこと。

つまり、50歳から定年後・老後のことを意識的に準備できるなら、老後をいきいきと暮らしていけるトップ10%以内に含まれる大きなチャンスです。

これまで築き上げてきた会社中心のスキルも肩書も、定年とともにすべてはリセットされてしまいます。いま不遇だと感じているならなおさらのこと、いまこそ、一生を終えるとき精一杯生きたといえるように「生活設計」をするときです。

老碁不安の多くは、定年後の収入のこと。収入を「見える化」する「生活設計」で不安を解消しましょう!

◯ 老後不安を「見える化」するために調べること

すでにあなたは、「ねんきん定期便」で定年後の厚生年金による収入見込みが把握できるようになりました。それ以外の『生活設計」に必要なデータを可能な限りの収集をすることがあなたのミッションです。

 あなたの会社の再雇用制度

すべての会社には、従業員の希望があれば65歳までの雇用義務が課せられています。雇用継続方法は会社により違いがあります。多くは60歳で定年、いったん退職したうえで再雇用する場合が多いようです。雇用形態は、フルタイマーからパートタイマーなどいろいろあるのでしっかりと内容は確認してください。定年後の収入も暮らしぶりもその内容しだいで大きく変わるからです。

 あなたの会社の退職金制度

退職金制度、正確には「退職給付制度」といいます。すべての企業が退職給付制度をもうけているわけではありませんが、人事院の平成29年発表の調査では、9割以上の企業で制度をもっていました。あるとすればどのような設計になっているのか要確認ですね。

退職金制度には、支給形態によって「退職一時金制度」と「退職年金制度」の2つに分けることができます。

◆ 退職一時金制度

社員が定年や自己都合で社員が退職する際に、まとまった額の退職金を「一時金」として支払う制度。一般的には、労働協約や就業規則による退職金規程で定められた内容にもとづいて支給されるので、ますは就業規則などを読み込みましょう。就業規則は入社時などに渡されることもありますが、会社によってはメンテナンスがされていないこともあります。手元になければ会社や労働組合などから直近のものを入手のうえ、手元用に写しを必ず確保しておきます。計算方式は各社マチマチなので正確に退職金を計算するには、規約等に従うしかありません。

◆ 退職年金制度

退職した人の老後を支えるための資金として、企業から分割して定期的に支払われる退職金のこと。すこしわかりにくいですね。この制度がある場合は、例えば1500万円の退職金がもらえるとして、本人の希望によりそれを分割し、1000万円を一時金、残り500万円を年金として受け取れるようにする仕組みが多いようです。退職金の一部を年金として受け取る場合は、その予定利回りや年金としての受給期間を確認してください。さらに資金の運用が会社から分離されて生保や信託銀行などに委託されているかも確認してください。

 退職給付制度は、就業規則や労働協約などに規定が設けられている。まずこれを確認しましょう!

 あなたの会社の企業年金制度

まず、以下の年金制度の体系図(厚生労働省の資料から引用)を見てください。

あなたのねんきん定期便にかかれている見込額は、この図にあるうすい黄色の国民年金(基礎年金)とその上の濃いグレーに着色された厚生年金保険の見込額です。

さらに、企業や組織によっては、さらにその上にある薄グレーに着色された企業年金制度があるかもしれません。人事院の平成29年の調査では、調査対象の5割弱が制度があると回答しています。まずはその制度の有無を確認します。

企業年金には、確定給付型と確定拠出型の2つがあります。

確定給付型企業年金
確定給付企業年金は、現在日本でもっとも多く利用されている企業年金制度。確定給付年金(DB)は、年金としてもらえる将来の給付額を先に決定し、必要となる掛金を企業(会社)が支払い、運用・管理します。年金資産は、会社資産とは別に企業が金融機関等に委託して運用します。運用失敗や不足時の責任は企業が負い、補てんします。

つまり、社員は一切の責任を負わずに、あらかじめ決められた額の年金を受け取ることができる制度です。ただし、あくまで会社が存続していることが前提になります。会社が倒産などしてしまうと、これまで積立てた分は生保や信託銀行に保全されていますが、当初計画した利回りが得られないときなど会社からの補填は期待できなくなるのです。

確定給付企業年金には、生命保険会社・信託銀行が管理し、運用・給付を担う「規約型」と企業年金基金が管理し、運用・給付を担う「基金型」(基金型といえども、基金が金融機関等に運用を委託しているのが普通です)があります。

どちらの方式であるかにかかわらず、あなたが確認すべきは、どれくらいの金額が見込まれるのか、それが終身型なのか、期間限定型であることを確かめることです。

確定拠出型企業年金
確定拠出型企業年金は、企業や加入者が毎月一定額の掛金を拠出して、自分で運用します。イメージとしては、支払われた掛金が自分の口座に積み立てられ、運用して得られた給付金が将来的には自分に戻ってくると考えるといいでしょう。そのため、運用の結果次第で将来受け取れる年金の額は違ってきます。運用商品次第では、積立てた額以下にしか給付されない場合もあるということです。会社によっては、従業員の掛金に会社からの給付を上乗せしてくれる場合もあるので、ここも要確認ですね。

なお、会社が掛金を信託銀行などに拠出した段階で、会社の手を離れるので、会社が倒産した場合、確定給付型に比べると影響度は小さいといえます。以上からわかるように、実際に年金として受け取れる金額については予測が難しくなります。

だからといって、制度があるのに利用しないというのは得策とは言えません。なぜなら、お金を拠出するときも、年金として受け取るときも税制上有利な扱いをうけることができるからです。

この制度は比較的新しい制度なので、この制度を会社が導入したときの従業員用の説明資料などがあるはず。人事など関係部署や労働組合に聞いてみましょう。

この企業年金制度で生活設計時の金額をどう見積もるかは、別の記事で触れることになります。

会社の企業年金制度については、労働協約や就業規則あるいは別の規約などで定めがあります。なければ制度を導入する認可がおりません。その規約等を入手しましょう。

 あなた自身の家族構成と現時点の資産明細

☑ あなたの家族構成
家族全員の生年月日と現在の年齢を一覧表にしたものが家族表です。経済的に支える必要のある親がいればそれも表に入れます。現在の家族表を起点としてこの先30年以上の収支計算をする必要があるからです。子供が学校を卒業するまでは学費なども必要ですし、社会人になってからも結婚時の費用なども一部親として面倒を見る必要性も考えねばなりません。

☑ あなたの資産
現時点での預貯金、株式、生保・損保への加入などの金融資産、持ち家の有無、自家用車の有無、住宅ローンなどの借入金をすべて書き出します。借入金などについては当然完済時期や毎年の返済額などもメモっておきます。

今あるあなたの現状をしっかりと棚卸ししましょう。それがスタートラインです。

◯ まとめ

以上で、「生活設計」をするための準備はほぼ終わりました。

でも、いきなり会社や労働組合にあれこれ聞きだすと変に勘ぐられるのではと思いませんでしたか?

確かに、いきなり退職制度や企業年金制度などを調べ始めるのはちょっとした勇気がいります。しかし、躊躇していてはあなたの将来が設計できません。たとえば、聞きやすいのは労働組合があればそこに聞くほうがすこし安心かもしれませんね。組合がなければ、人事部など担当部署に聞くしかありません。関係部署に知り合いが入ればその人に頼むのもひとつの方法です。

正直に、「50歳になったので、今後の会社への貢献の仕方や定年後の生き方を考える契機にしたい」と申し出るのがよいと思います。

会社にもよりますが、定年後のことを考えてもらうために人事・労務部門や労働組合が主催して年金や退職金を試算したりする研修『ライフプラン研修」を社内あるいは外部に委託して実施するところもあります。忙しいことなどを理由に断ることは、絶対にしてはいけません。あなたの残りの人生がかかっているのですから・・・。

次回は、毎年の収支計画の骨格となる部分をつくります。この作業で多くのことが見える化されます。取り組みすべき課題が見えるのです。お楽しみに!